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枯れ葉の流れ着く先 【幻:前編12】 「Fictoin Story」 [小説(story) Fiction]

   ☆=ストーリ【Story11】からの続きです、是非下欄【Story12】をお読み下さい=☆

   《宮城県 松島》 

リュウ車中.jpg 名取駅を夕方6時に出てJR東北本線で仙台に15分位で到着、JR仙石線・石巻行、30分で松島海岸に着く、ヨシ子が予約した松島センチュリーホテルにタクシーで3分で着いた。 フロントデスク(reception受付)にて記帳し 「妻と記入した事、初めてだわ、なんだか実感ないわね」 と俺に囁いたが、何か嬉しそうな表情で妻と云う言葉に少し感動した様子であった。

チェックインを済ませ、 日本三景として知られる松島が一望出来る部屋に案内され、ヨシ子は旅馴れた様子で素早くルームサービスに心付けを渡し、今食事は何が美味しいか?お風呂はどうか?景色の綺麗なところは何処か色々質問した。 「今ちょうど、野天風呂の個室が空いているから利用出来ますよ」 の返事、直ぐに予約入れて頂き、先ずわレースでの汗を流すことにした。

 貴重品等金庫にしまい一息入れる暇も無く野天風呂へ、 「リュウ見て!日が沈む」 「あぁー」

 仄かに赤く染まった空、影絵のように浮かぶ島々、今までの騒がしさは嘘のように、オーシャンビューの素晴しい景色だが束の間に夕暮れの闇に包まれる、辺りの町に明かりが優しく灯り始め、静かに聞える規則正しい潮騒に心が癒されホッとする。

 海辺に作られた野天風呂に身を沈め静かに二人して優しく穏やかに聞える潮騒を聞きながら夕暮れに広がる海と島々に目を向けながら、ヨシ子と俺は今までの緊張をほぐす様にゆっくりと肩まで湯に浸かり温泉をしみじみ満喫していた。

 見慣れたはずのヨシ子の体、海に沈みかけた日没の残り火に、ほんのりとし写し出された柔肌が怪しくドッキリほど妖艶に薄暗い海を背景に浮き上がる、以前より全体にほんの僅かにふっくら丸みをおびた身体は益々優しさを感ずる露天風呂汐音RY.jpg

 「此処の野天風呂本当にいいわね、ほっとするわ、二人でこんなにゆったり温泉に入る事初めてね、此処の温泉肌に良いみたいよ・・」

 暫らく温泉を楽しんだであろう、流し場に上がり 「リュウの頭、ヘルメットで汗一杯だったからここに座って・・頭流してあげる」 此の様な時は女性の方が気持ちが座り何か堂々している様だ 俺は何か落ち着かない心を悟られないようにむりやり堂々として見せた 「そうだよね」

 髪を纏め上げる仕種、項から肩にかけなんともゾクとする色気を感じる、 ツンと上を向いたプリンの様な魅力的なオッパイに俺は吸い込まれる様に手を出したが、

 直ぐ様ヨシ子に一喝され 「だめよ!今は、さあー此処に頭を下げて!洗うから、やっとリュウが私の処に帰って来たわ..」 俺は髪の毛にシャワー浴びせられながら質問した 「何時も一緒だったのに如何して?」 

 シャンプーの泡が目に入らぬ様に頭を低くした頭上からヨシ子の声が聞える 「レース中のリュウはファンや皆さんの者で取られてしまったようで、傍にいるのに何か寂しかったわ」 シャンプーが終わり、タオルで髪を拭きながら 「どう?サッパリしたでしょう」 「あぁースッキリしたよ」

 ヨシ子は優しい目付きで 「ねーリュウ其処に立って見て!こんな事考えるの嫌なんだけれど、この前の事故でリュウに何か有った時に身体の何処を見ても直ぐにリュウだって解かる様と思ってね」

 やはり こんな時も医者だなと感じた、俺は少し恥ずかしい思いでヨシ子の前に立ち上がった 「改まって言われると気恥ずかしいな、此れでいい!」 ヨシ子は何の動揺もなく見詰めている 「しみじみ見た事無かったわ 思ったより全体が筋肉質ね特に胸と腕凄いわ、そこで廻ってみて」

 「もーぅ!これでいい」 その場で一周廻る 「今までこんなに全身ゆっくり見る事無かったわね、意外と見ている様で気が付かなかったわ 何回も着替え手伝ったのにね、孝ちゃんが言ったとうりお尻が小ちゃくて締っているよ」

 「もうー良いだろう、ショーは終わり..毎朝ヨシ子と走って腕立てしているでしょう、馬力の有るレーシング・カーは意外とハンドルや首に力がいるんだよ、今までヨシ子は医者の目で部分的にしか見ていなかったからでしょう」

 「そうよね、そうかもしれない、感心にリュウは毎朝欠かさず走っているから、私も付き合ってスタイル良くなったでしょう?」 「大丈夫だよ綺麗だよ」 「本当?」 「本当だよ」 子供が出来たと聞かされて、俺の見る目がそうさせるのか少しお腹が出て来た様にも思われる、お腹を押さえ 「此の子産れた後又ジョギングするから付き合ってね」

 「あぁ、今度は俺が背中流そうか?、なんだか少しオッパイ大きくなったのかな~ぁ?」 「そうね、赤ちゃんの為の準備かな、..優しくね、今は悪戯は無しよ」 「あぁ ちゃんとするよ」 「初めて人に流して頂いたわ・・なんだかリュウに言われ女として感じるのかな?レースの時の興奮と今のリュウの裸見て、ギリシャ神話の彫刻より筋肉が生々しく動き何だかたまらないわ!女でも疼く時が有るのよ、私を引き付けた時と何処か同じ感覚よ、でも後にする」

 「え!・・はいはい、後でね」 俺は余りにも率直で拘りの無いヨシ子の言葉が、美味しいお菓子でも食べる様に聞こえ、可笑しさを覚えた、真面目に優しく背中を流し意外と華奢で小さいな背中、背丈は有るのにこんな小さな体で一生懸命だったと思うといっそう愛おしく思った。

 もう一度湯に浸かりながら 「リュウ凄いのね!実力改めて感じたわ、前に言っていた事本当ね!」 「・・」 「今シーズン終わったわね・・」 俺はそれには応えず 「うん・・お腹すいたね」 ヨシ子も笑顔で 「ほっとしたら本当にお腹すいたわ リュウに逗子に連れられて行った事思い出すわー」。

 ヨシ子は松島の海をぼんやり眺めながら 逗子の海岸を思い出したのか 呟く様に 「何か遠い昔の様な つい最近の様な・・」今度は俺に向って 「さぁー 食事に行きましょうか?」 「そうだね 短い間に色々な事があったから」 少し感傷にしたり野天風呂を満喫し部屋に戻った。

オープンキッチンjpg.jpg 先ほどフロントで聞いたホテル内のオープンキッチンで 牛タン塩味、天ぷら、えび・すずき・あなご・烏賊・野菜・刺身の盛り合わせなど好きな物を、メニューをに見ながら各々オーダーした。 ヨシ子は顔をテーブル近くに付け手を置いて俺を覗き見 子供が何かをお願いするように小声で

 「リュウの優勝祝い 少しくらいビール飲んでも良いよね」 俺は笑いを堪え「俺に聞くなよ!先生だろう」 ニッコリしてお腹を擦りながら 「少しなら良いって言っているわ....ね!リュウ いいでしょう」 俺に甘える様に訊ねた 「都合のいい腹だね」 と云いながら俺は頷いてみせた。

 客は俺達二人だったのか それとも話好きのガッシリとした厳ついコックさんが?、身を乗り出す様に笑顔で話かけてきた 「おめでたですか?」 ヨシ子は嬉しそうに 「はい!」 と神妙に返事をした、コックさんヨシ子の嬉しそうな返事で活きよいずいてか まるで自分のことの様に 「それは おめでとう御座います じゃ少しだけですよ」 と嬉しそうに言った、俺は思わずヨシ子と顔を見合わせ苦笑した。

 俺の注文した宮城ステーキはその場で焼いて頂きその手さばきを楽しみ、ヨシ子は牛タンや刺身の盛り合わせなどを注文して、俺達はお腹も空いていたので美味しく楽しみながら頂いた。

 コックさんが話好きで此の時期余りお客さんが少なく、本当は冬場の牡蠣が有名ですよ、何処が見所かいろいろと冗談を交え説明と観光案内をして頂き楽しく退屈をしなかった。

 まだ寝るのには時間も早く、夜の海岸に出かけて、僅かな月明のかりに島々からの明かりも加え漣が綺麗に輝いている、静かに時折そよぐ風、寄せては返す潮騒の音..二人手を繋いでの漫ろ歩き、此の雰囲気からもっとムードのある話に浸るところだが、俺は今後のレース活動に不安を感じレースの話に触れる事は恐かった。

 俺は話を逸らす為に、海斗の事が思い浮かび 「俺、ヨシ子に海斗達の事 生意気な事いったが如何してやったら良いか何も考えていなかったよ、駄目だよな」 ヨシ子は風呂上りの少し乱れ髪を掻き上げながら 「そんな事ないわよ、苦しみを理解して聞いてあげたでしょう、それで十分だと思いますよ」 俺は俯き加減に 「そうかなぁー?海斗が可哀そうで、何とかならないかな」 ヨシ子は顔を斜めに傾けて何故という様に俺に問いかけた 「以外ね!車の話しするのかと思ったわ?」

 やはりきたか!俺は車の話を避けていたから、慌てて 「始めた頃はね、楽しくて車漬けだったよ、今は全てが仕事、仕事となるとね」 何かを察したのか、話を海斗の事に戻してくれた 「私ね以前から、リュウのそう云う処が人一倍優しいと思っていたの、相手の気持や体調の悪さを想像出来る、そんな愛と思いやりがある人だと思っていたわ、だから人より疲れるのよ」 俺は照れながら 「買い被りだよ!」 優しい瞳でヨシ子は俺を見詰めながら 「私がリュウを好きになった理由はそれもあるかも知れないわ」 俺は本当に照れくさくなったが海斗を利用している事を少し恥じていた 「もう良いから、そんなんじゃーないよ!」

 俺の本音は、今後来年からのレース活動の事で頭が一杯だった、当然今回は後半、半年分の費用で済んだが来年は其の倍以上の予算が必要だ、それに年間良い成績を残す為に当然予備のマシーンや部品を準備する必要がある、其れを考えるとスポンサーが善意であればあるほど心が縛られてしまいそうだ、今はその事に触れたくなかった.. ヨシ子は俺に何かを感じたのか車の話は避けて、考え深げに 「そうね、時々レースの事忘れたいよね」 「・・・」 俺はどのように答えて良いか無言であった。

 ヨシ子は明るく話を変え 「海斗君の事ね、もっと未来だったらアレルギーも起きない自分の細胞から必要な内臓器を作れる様になれるのに..昔から、生命力の有る人が色々な苦難を病気だけではないのよ、災害や戦いを乗り越え生き残って来たのよ、其の中で、医師達の力どれだけ小さいか、どれだけの悲しみが有ったか、それの繰り返し、今わどうにもならないわ、私自身医師としてどんなに無力で不甲斐無いか思い知らされたわ、それだから諦めろと云っているのでは無いのよ、其の中で出来る限りの努力しているの、私自身も如何にあるべきか、他にもリュウのように心痛めている人が何人もいるのよ」 やはり、こんな時は先生と云うより母の様だ!

 俺は医学が進む事で確かに沢山の人々が幸せになる事には異論はないが、それにより新たな疑問が生まれ先生としてどのように思っているか尋ねてみた 「遺伝子の組み換えや臓器を作る其処まで、進んだら病気で苦しんで居る人は良い事だが、何か恐いね、俺は神など信じる信者では無いが、なにか神をいや自然を冒涜するような、戦う為の最強の化け物が作られたり..まだ俺が小さな時に読んだ漫画本の中で、あの包帯グルグル巻きのフランケンシュタインの涙の意味、それに永遠の命を持った火の鳥の悲しみや人の欲望が初めて解ったような気がするよ、金持ちだけが欲望を満たし息長られる事になるのでは?それもヨシ子が云う神が人間に与えた進化と知恵だけど..」

 ヨシ子はやはりこんな時にも医者を感じさせる 「そうよね、実験段階ですがiPS細胞(人工多能性幹細胞)って言うの、まだまだ動物の臨床検査等沢山テストがあるの、本人の細胞から作るのですから拒絶反応も少ないと云われているのよ、これからもっと実際に実験や拒絶反応のテストが必要で、研究者達は純粋に海斗君の様な難病で苦しんでいる人を一人でもその研究により助かれば良いと思っての事よ」 「それは、そうだけど!人間一人一人に何が与えられ何をするべきか?俺には全然見当もつかないよ!もしかしたら何の意味も無いかもしれない!」

 ヨシ子は俺の疑問を解って 「それも何れは倫理的に法律規制が出来るでしょうね、その為の争いも起きるかも知れないわね」 「ふ~んでも実際欲望の為に動く人もいるよ!」 ヨシ子は尚も俺の疑問を理解して 「それもそうだけれど、クーロンはあくまでクーロンよ、形はそっくりでも心や考えまでその人に代わる者では無いのよ、だって同じ環境が容易く作れる物で無いでしょう」 「だよね」

 「でも、なんだか恐いわね、何処までも進化するでしょうね、いまや特殊タンパクの利用で脳細胞の再生を試みているのよ、アルツハイマーや痴呆症が治せるかもしれないわね、其れが人間の欲望だからでしょうが。 リュウとそんな話出来ると思はなかったわ、とにかく難しい問題ね私も一人の医師として、一人でも多く助ける事を望むから努力しているのよ、時々リュウは違う視点から物を考え、根本を改めて考え直し刺激になるわ」 やはり先生だな俺が云うまでもなく考えている。

 俺は突然こんな事を思いついた 「もし大海原で、誰も助けも無く二人で最後の水を如何するか、本当にこの周りの社会で其れくらい追い詰められる人達が沢山いるんだ、二人で仲良く飲んで命を共に無くするか、それともどちらかに上げて一人だけ助かるか、考えた事ある?人が極限に追い込まれた時にとる行動、俺だったら如何するだろうって?」

 リュウは一体私達の将来について何を考えているのか解らぬと云う顔で俺の心の中を見通す様に窺がう目付きで 「どちらも恐い事ね、私ならリュウと愛し合い幸せの中で死にたいわ、リュウって時々変なこと考えているのね」 もっと重要な事が有るでしょう、と思ってるに違いない、でも俺はとぼけて 「変って?答えになってないよ」

 まったくもう、と云う様な表情で 「そぉね!言い方がいけなかったわね、それも皆さん、顔が違う様に又育った環境も違い其々違うでしょう、取る行動も其々違うと思いますよ」 「そうだね」 「ただ突然その質問今でなくても、時々リュウが解からなくなるわ」 不思議な顔をして俺を見詰めた、・・ヨシ子に云はれてみれば、俺は何を話しているんだ!と、思っているだろう、

 俺は何も悪い事はしていないのに、質問が恥ずかしくなりもう一度 「そうだね、ただふっと思ったから、でも本当にユニークな考えだね、俺もするよ一人では出来ないしヨシ子のこと大好きだから」 全くもう、と云う様な顔で、ヨシ子笑いながら 「そうよね..それが、一番平和で悲惨に成らないでしょう、それに意外と人は最後まで助け合う者よ、リュウだって私の為にそうすると思うわ、人間は弱いからそうやって生き延びて来たのよ」 「やはりヨシ子の考えの方が的を得ているね、それが人間や動物の生と死かも」・「でも本当の所俺には解らないよ、そうまでして生きなければならない意義が」

 「以前リュウはこの世界で人間の存在価値について、質問したわね、この宇宙に何かの条件が組み合わされ、たまたま人が生まれたもので、誰も見付けられないと思うの。..何のためではなく、折角与えられた命どう生きるのかでしょう、もっと生きていて欲しい人も生きたくても生きられない人も、どんなに人が悲しんでも思う様にならないの、それが自然の摂理なの」 医師だからこそ、沢山の人を見てきた実感があり感じた事だろう。

 ヨシ子は又、覗き込むように俺の顔を見て 「それにね、リュウと私が何億万人の中で出会えた事も、リュウの両親が存在したからよ、私達何万人とすれ違ったのか?不思議で奇跡でしょう!だから悔いの無いように確り生きることでしょう」 「うん、そう云われれば両親の愛がなければ存在しないよね」 本当に自分の弟か子供に教える様に押し付けるのではなく 「それでね何も無く生きるより、その人なりの価値のある目的を見つければ良いと思うよ」..俺と違って余裕のある考え、でも俺はその目的を失いかけ暗闇の中をもがいているのに..如何するのだ!。

 なんで、こんな話になるんだよ!本当はなるべく、将来のレース(車)の話を真剣に話合わなければならないのに。 それでもレースの事には触れたくは無かった、自分の考えが決まらないうちに触れたく無かったからだ..話せば決断しなければならない..と云うより結果は解かっているからだ、ただ俺がそれを認めたく無かった!。

客室1jpg.jpg 折角二人でムード有る処にいるのに、なんて色気の無い話、俺は何やってるの!..街灯や島からの明かりに照らせれ、寄せては返す優しい波の音が情緒を誘う....。 俺達の部屋に戻り久振りにベットでは無く布団に入る、俺はレースの興奮が残っているのか今後の事が気になるのか眠れそうになかった。

  俺はまたも話をそらす 「海斗の事、解っているけど!」 ヨシ子優しく俺を見詰め 「いいのよ、それでも悩んでくれる、そんな優しいリュウが好きなの、でも誰にでも優しいリュウに時々焼きもちやいちゃうな」 「ええ!そんな!」 「でもね、レースに取り組んでいる時のリュウの真剣な顔見ていたら、改めて此の人なら信じられるて感じたの、女の直感かな!」 「へー変なの!」

 ヨシ子は眠気が増したのだろうか、気怠そうに 「そうなの、女ってそんな変な処有るのよ、..私、自分がこんなにやきもち焼きだなんって思っても見なかったわ、此の年に成るまで、こんなに男の人に夢中なった事無かったの、どんなに優しくされても何時も何処かで醒めていて、入り込め無かったの」・・・「リュウだけは違ったわ、何時でも本気でぶっつかって来て..その澄んだ目で見つめられ、どんな過去が有ろうが、この人は純真な人と、と何時しbetto.jpgか引き込まれてしまったの、レースに取り組んでいる目と同じ、..だから..さ....」 暫く”そうなのか”と思いながら聞いていたが、沈黙の時が流れ 「・・・zz」 ヨシ子の寝息が微かに聞えた。

 ..なんだ、寝てしまったのか!今日は全てを忘れメチャクチャになりたかったのに、ヨシ子は久しぶりにビールを飲んだ事でも有り、レースで流石に疲れた様だ。 本当に率直で可愛い人だ..、年上なのに、こんなに愛しく感じる人は初めてだ・・あ~ぁ!俺は一体如何すればいいんだ!。 又これから無責任に今の生活を全て捨て俺の夢を追う事で愛している人の悲しい顔を見ることは二度としたくないよ、そんな事出来ない。 それでは望み薄のレースが尚のこと望みが無くなる、やはり全てを捨てないかぎり駄目だ、ヨシ子が俺を選んだ時にボロボロになっても、と云った事があるが果たして俺にも出来るのか?。

 其の夜、俺は余り眠れず、レースを十年程前に始めた頃からの事を思い浮かべ、あの頃の俺はレースが全て毎日が楽しくて喜びだった。 資金繰りに苦しみ走り廻った事すら楽しく、レース用車の改造やレースで性能の低い車で高性能の車を追い詰めた時はこの上も無く喜びを覚え誇りに思った、仲間とレース用車のボデーの軽量化やエンジンのパワーアップや足周りの改造等、レース談義に仲間達と時間も忘れ夜明かし、少しでも性能の良いパーツが欲しくて、噂を頼りに仲間と飛び廻った事、ただレース・カーで走五大堂毘沙門堂五大明王像.jpgれる事が楽しく喜びで生きがいを感じていた、本当にあの頃はギラギラと燃えて楽しい日々を過ごしていた。

 しかし、レースを中断せざるを得なく目標を失ったあの苦悩、再開出来た喜びも有ったが、今又次の段階に上がる苦しみの中にいる、此のまま進んでも先が見え初めてしまった..決断する時が来たと思っても何処かで続けたい気持ちに揺れる!。

 翌朝も、二人で野天風呂、朝の日差しを浴びながら雄大な海と自然が創りだした見事な島々、柔らかく包み込む温泉に浸り、爽やかな活力と元気を取り戻し、バイキングの朝食を戴き、ホテルを9時に出発、近くの名所五大堂や福浦島等を訪ね、島めぐりの遊覧船で自然が作り上げた島々の美しさを満喫し、明日お互い仕事なので早めに帰る事にした。

 新幹線(はやて)にてヨシ子、良く眠れたのか少し元気を取り戻した様だ 「ねー、リュウは如何して、あんなに早く走れるの?」 「如何してって云はれても、あのクラスになるとレーサーの腕はほとんど変わらないよ、本当に車の調整力それと、集中力の従続と思い切りでしょう..それと天候も運かな」

 「でも、気持ち良い位早くてスッキリしたわ、チーム全員活気が出て大喜びだったわよ、..リュウ、余り浮かない顔ね」 「うん、流石に疲れたかな」 その後は言葉少なく午後五時半には我が家に到着。

   《瞑想か迷想?》

 ヨシ子、玄関ドアーを開け何時もと違い、倒れ込む様に居間の長椅子に身を沈めたまま俺を見上げ、疲れたようすで 「リュウ、此処が一番ホッとするわね」 「そうだね、俺なんか何時も家のドアー空けてヨシ子の返事の声を聞くと、ほっとして安心するよ」 「ほんとう?嬉しいわ」 何か返事も何時もの元気さがない 「俺、本当に感じている事しか云わないよ」 「リュウ、コーヒー飲む?・・何か疲れたわ」 何時もと違いヨシ子とても疲れた声だ!

 「あぁーいいよ、俺が入れるから、ヨシ子は何時もの紅茶?」 やはり普段と違い気怠そうにキッチンをゆっくり指さし 「ええ、ありがとうミルクテーにして、そこに紅茶アッサムが有るでしょう、それと温めたミルクと半々にしてね」

 俺はミルクテーとコーヒーを入れリビングに戻った、何時もなら素早く荷物を整理する人なのに?ソファーに深々と腰を降ろしたままだ 「出来たよ」 「ありがとう」 気怠そうな返事に 「疲れているの?食事出かけるのよそうか?何か頼のもうか?」

 長椅子に座ったままのヨシ子、俺を見上げすまなそうな笑顔を見せ 「家に着いたら疲れが出たみたい、そうして頂ける」 「うん、いいよ何にする?」 「消化の良さそうな物がいいなーぁ」 「じゃぁーうどんか何かどう?俺カレーにするよ」 ヨシ子は気怠そうに 「月見うどんで良いわ、電話して下さる」 「わかったよ、お風呂入れておくね、きっとあかちゃんがいるから疲れたんだよ、夕食取ったら直ぐに休めよ」 「ええ」

 ヨシ子何時もと違って腰も重そうにゆっくり上げた 「じゃぁ先に入るわ、リュウ洗濯物出して置いてね....うぅ..うぶぁ」 ヨシコ子は慌ててキッチンの流し台に走りこんだ! 「ヨシ子如何したの!・・気持ち悪いの?紅茶のせい」 流し台に顔をうつ伏したまま 「ゲッゲプ!..大丈夫よ、....多分悪阻(ツワリ)でしょう」 流し台から涙目の顔を上げ 「少し吐き気がしたの、心配しないでもう大丈夫よ」

 「..ふぅーん、女の人は大変なんだ!心配しちゃた」 ヨシ子は無理やり笑顔を作り 「大丈夫だから、お風呂に入るわ」 心配だったので時々声をかけた、風呂の中から元気そうな返事が戻った 「大丈夫よ、リュウは優しいね、もう本当に大丈夫だから心配しないで」 「うん」 自分の事ならまだしも、俺にしてみれば全て初めての体験、心配になる事は当然だし戸惑うばかり。

 月見うどんを二つに変更しオーダーし、荷物を整理していると ヨシ子が「リユウ 先にシャワー浴びて 私少し休むは」「大丈夫?」「心配しないで」「じゃーそうする」

俺は風呂場に入り裸になり鏡をみて自分自身に問いかけた ”このままレースを続けられるだろうか?これで契約も終わり新たな契約を結ばなければならない ” 何時も不安や いきづまった時に俺は鏡に向かい問いかける癖がある 何故か本当の自分を探す為に ”歳と共に反射神経も鈍る 子供もできた それにもう以前の義理の父からの支援も受けられない 他チームへの誘いも俺のスポンサーが有ってこそ成り立つ事 ここで区切りではないか?” 結論が出ぬままシャワー浴び終え ヨシ子に風呂を進め 少し元気を取り戻したヨシ子は風呂に向かった、 

 うどんだけではと冷蔵庫を開けると卵と焼き豚、残り物冷凍ご飯、後は粒コーンの缶詰とマッシュルームのスライス缶が有ったので、バターで洋風チャーハンを二人分作る、 後から考えると可笑しな事、何かして上げなければとそんなことしか思い浮かばなかった。

 ヨシ子がお風呂をすませ 「リュウとおんなじ、やっぱり家が一番良いわね疲れが取れたわ・・リュウも入る?」 「食事してからにするよ、チャーハン作ったから、うどんだけじゃぁお腹空くでしょう?食べられる?」

 ちょうど出前のうどんも届いていた、先ほどの疲れた様子も見せず 「お風呂に入ったら落ち着いたわ、なんだかお腹空いてきたみたい、リュウて気が利く、本当優しいのね」 今度は元気そうに 「もう大丈夫よ、さー食べよう!」 美味しそうに食べ始めた、何か心配したことが馬鹿らしく拍子抜けした 「リュウ、このチャーハン美味しいわよ、べたべたしないで、上手く出来てるわ、感心しちゃう」 女性の体に複雑な気持ちもあったが、俺もほっとして食べ始めた 「元気になってよかった、ホント心配したよ」

 「もう大丈夫よ、さすがに疲れたわ、見ているだけでもこうなのに」 「俺はレースに慣れているし、ヨシ子はお腹に子供いるからだよ」 「自動車レースって側で見ているより数段ハードで頭もかなり使うスポーツね、今回だけでも良く解ったわ、レーサーの技量、レースの組み立て、チームワーク、天候、技術、全てが上手くかみ合って居なくてはいけないって事よね」

 俺は何故かヨシ子の様子から、早く俺の考えを話さなければいけないと思い 「さすがだね、少しの期間に良く細かく観察したね、これから自動車レースの見方変わるよね」 俺が如何してレースに夢中になったか少しは理解してむらったのに、それに俺の為に協力してくれた事にすまなく思い。

 俺は心を決して話始めた 「ねー真剣な話、聞いてくれる」 「リュウ改まって如何したの?」 俺は少し躊躇したが話す事を決めた 「....俺ここのところ考えいたが、これでレース辞めるよ!....」 ヨシ子、俺の突然の決断に直ぐには理解出来ない様子 「....!....?」、 返事に戸惑い言葉が浮かばなく驚きの表情で俺を見詰めた。

 俺はヨシ子が理解出来るように説明した 「自動車レースのカテゴリーは色々有るが、俺がエントリーしているレースは一応日本の自動車レースでは最高峰、もし今回トップを取れ無かったら、まだ挑戦をして辞める事は考えなかったと思うが」 「・・」 ヨシ子は俺がいったい何を伝えたいか次の言葉を待っている 「今回、曲り形にもトップに立てたんだ、一応俺なりに納得出来たが、年間チャンピオンを取ら無ければ本当に一番と言えないよ、 それを取るには来年になるか再来年か、それすら解らないよ、誰もが此の道に入った以上、世界で活躍したいと思うよ、ましてや俺にとって其れが夢だったから、・・世界に挑戦するなら技量だけではだめ、世界の一流のマネージャーを付け一流チームでなければ決して良い成績を残せないよ」 「解ったわ!それで?」 「今年の俺のレースも終わり、区切りも良いし、其の上、来年当たりから必ず不況が来るよ、そうなるとスポンサーもなかなか見付からないかも」

 本音の主な理由はスポンサーだが、ヨシ子に詳しく話す訳にもいかず、このまま前の奥さんの会社の援助を受ける訳にも行かない、今後此の不況何処まで続くか解らない増してや日本ではカーレース等余り理解されない、今後安定した生活を支えてくれるメイン・スポンサーが見付かる訳も無いと思う。

 ヨシ子は驚いた顔をして 「それで、優勝出来たのに浮かない顔していたのね、..もう決めていたの?..、本当に..後悔しないでね!」 俺が最後まで話さずとも、何を話したいか理解した様だ、それに何か言たい事が有るようだがそれ以上は云わなかった、

 とりあえず簡単な理由を付けた 「あぁー、ヨシ子が一生懸命レースの事覚えたのにごめん!、もうーこれ以上は皆に迷惑を掛けられないし俺にとっても無駄になる様な気がするよ」 

 ヨシ子は自身と子供の為と思ったのか 「私の事なら良いのよ、リュウのビジネスと思って割り切るつもりよ」 この話し方は、スポンサーと美奈子の事を知っていたのだ!・・「此れからリュウに皆さんの期待が掛かるのに、変なものね辞めるとなると少し残念に思うけど・・リュウが決めた事だから、でも本当に良いの?」

 世界に羽ばたきたかったが色々な条件から俺にはもうこれ以上先は望めない事は前々から判っていたのだが認めたくなかっただけだ、本当にもういいんだよと云う顔をして

 「幾ら期待が有っても、今より上は、奇跡が起きない限り望め無いよ..スクールには、インストラクターとして残るつもりだよ、ヨシ子には一番先に了承して欲しいから」

 「リュウ此処に来なさい」 俺の目を確かめる様にして 「本当に私や子供の為にでは無いでしょうね、それで本当に良いの、思いつきだけで云っていないでしょうね、後で後悔してほしくないの!良く考えてね....リュウは目的が無いとだめだと思うわ」

 「あぁ」 「私..まだ信じられない!何か新しい目的が有るの?」 「別に!、今は何も考えていないよ」 「..解ったわ!リュウ自身の事だからもう何も云わないわ、お風呂に入ってらしゃい」 「あぁ先に休んでね、ゆくり入るから」

 ヨシ子は俺が凄く落ち込んで悩んでいるとバス-2.jpg思ってか?もしかして子供の為に悩んだ上に辞めようと思っているのか?、きっと俺がカーレースに何年も打ち込んで来た事を知っているから、どの様に力になれるのか戸惑いの顔が明らかに感じた、 俺にもそれでいいのか正直判らない、兎に角風呂にでも入ろう。

 ウーンアーア..俺も年かな!こんな声が出るなんって!。 ..湯船に身を任せながら、普通ならレースを辞めるなどとは、やっと掴んだ物を此れから活躍出来、運良くスターになれるかもしれないのに。 だが..其れも、後1,2年の事だろう、もうそれ以上は奇跡が起きない限り世界には進めない。 何時までも此の位置にくすぶって居ても年を取るだけスポンサーも見つけられない、其のうち惨めに年取って忘れられ終わってしまうだろう。 美奈子(前の妻)との苦悩の日々を無駄に過した為か?。

 あれ程まで追い求めていた情熱が、十年前のいや考え始め十年以上、あのギラギラした目で獲物を追い求めていた俺は何処に行ってしまったんだ?。 途中で中断してしまって無駄に過ごした事が影響したのか、あの時レースを続けていれば?考えても時は戻って来ない。 それも、いや!俺自身が選んだ人生だ!、人として無駄では無かったそう自分に思い込まして居るのではないか?。

  あの流れてしまった日々、無駄に終わってしまうのか。 このまま皆を犠牲にして何も残らなかったら、本当に其れでいいのか?、俺が選んだ道では無いか!、此の小さい目標を達した満足感を求めた訳ではない!。 それほどまで追い求めた結果が此の脱力感と空しさなのか、何故こんなに寂しいのだ!。

 その上の目標が余りにも遠いからか?....まだ出来ない事は無いが、日本はレースに対し理解が少ないから。 年を考えるとぼろぼろになるまでやる人もいるだろうが無駄どころか犠牲が大きすぎる。 それで平気なのか?此れが挫折と言う物なのか!。 又不況がじわじわ遣って来る、其れより目標を達した途端、正直レースへの情熱が薄れてしまった。 いや挑戦する事が恐いからそう思い自分を納得させ様としている。 どちらを選ぶのだ!判らない!遊びではない!此れではもう勝てない第一こんな気持ちでは危険だ。

 次の目的が実力は勿論の事、それ以外の要素で動く事を十分知っているから。 それを切り開き乗り切るのもプロだ!。当然スポンサーに頼るほかは無い、益してや別れた人の父の会社をこれ以上頼るわけには行かない。 恥ずかしい話だが、此の俺を世界の一流カー・レーサーに育ててくれ!とスポンサーを求むのプラカードを持ち東京駅か横浜駅前にでも立つか!、いや!それも美奈子の父への当て付けの様で、それも出来ないしそんな勇気も無い。

 だが此れ以上は並みの資金では出来ないチームを移籍する?俺にそんな事が出来る訳がないし移ったからと云って保証される訳も無い!。 全てが絡みあってくる、俺の選んだチームへの後悔が残るだけだ!。 俺にはこれ以上の犠牲を家族に与える事は出来ないし、誰かを犠牲にして本当に喜べないヨシ子と子供の為にも辞めるべきだ!。

 今までだって恵まれた方だ、良い潮時だ!、そうしよう、もう決めたのだから!。 ヨシ子に遇わなければ、此のまま突き進んだのか?。 誰のせいでも無い、俺の力が無かったからだ、ヨシ子に惨めな思いをさせたくない、いや俺自身の為にも、俺の選んだ運命だ此の幸せを守りたい、もう俺の心の中で決まっていた事だ!。 ヨシ子を知り今の生活の中に本当の幸せを見つけたから?。 何故かレースへの情熱が少しずつ醒めてしまった事も事実だ!、何処かで自分に納得出来る機会を待っていたのかも知れない。

 遣るだけやったのだから!、これを挫折と思いたく無い俺が居るからか、素直に認めたく無い、だったら!愛する人を!皆を悲しみに巻き込み、スポンサーの事で肩身の狭い思いをさせてまで、ボロボロになり何万分の1%に賭けるのか?。 今更と思いながら..目まぐるしく浮かぶ、同道巡りだ!考えても結論など出ない!、何て優柔不断なんだ!俺自身に呆れる。

 久しく1時間以上お湯に浸かり物思いに耽った、以前にはこんな事は無かった、家庭を持つと云う事はこの事か、俺も優柔不断になった者だ、久々に長々と湯船に浸かった疲れもとれた様だ、俺自身に呟く 「さー出よう」

 ベッドのヨシ子を起こさぬ様に静かに脇から潜り込む、何時もなら俺が後ろから抱いて寝るのだが心配して眠れなかったのか、まだ起きていて向きを変え、俺を柔らかく抱き締めてくれた、俺を慈愛に満ちた優しい眼差しで 「本当にそれで、いいの?」

 俺はまだ迷っていたが 「大丈夫だよ、子供やヨシ子の為では無いから俺自身の問題だから心配しないで」 「解ったわ、良いのよ慌てる事は無いのよ、もう聞かないさーぁ寝ましょう」

 ..何故かヨシ子から憂いを感じる、初めて出逢った時の様にヨシ子の胸の中に、顔を埋めて..あの時の、安住の地だ、あの時から俺の牙は溶かされ始めて、こうなる事、予想していた様にも思えた..俺を確り抱きとめて、きっとどんな俺でも受け止めるわ..安心してと無言で伝えているかの様だ

 何度も、何度も、”これでいいのだ!”と心で呟き、この時が来ただけだ!まだ何年かあるのに..だが此の世界で上に這い上がるには遅すぎる、過ぎ去ってしまった歳月は取り戻す事は出来ない”老兵は消え去るのみ”のフレーズが浮かぶ、まだ老人にはほど遠いが此れが車のレースの世界、何故か悔しさも残念さも沸か無い空虚な中で、ただ移り行く歳月の無情さを感じる、寂しさか?。

 感傷的になり閉じた瞼から涙溢れていた、..”これでいいのだこれで..々”..十年余り俺にとっては壮絶な戦い、此の涙で洗い落とし終止符を打ち新たに静かな幸せを求めよう..

 ヨシ子が気が付たので有ろう、そっと俺の涙を拭き取って黙ったままそっと抱き締めた、まるで子供が母親に甘えて居る様だ、此の俺が今まで記憶のある限り一度も見せた事が無かった姿と涙で有った、益してや女性の前で少しも恥ずかしくなく出来た事が不思議だ!、目を開ける事もなく思わずきつく抱き締めて安堵の思い..そのまま、いつの間にか眠りに付いた

  《トラブル》

 基地開放.JPG翌日、横須賀ベースは一般開放日で沢山の人々で賑わっている、我が事務所もボランテアで駆出されバーベキュウ等に大忙しだ、此れからは俺もこの様な模様しにも参加しなければ成らなくなる、忙しそうに指示を与えているボスに向かい、レースで優勝を報告して、自分にケリをつける為に、カーレースを辞めるので軍の契約から日本政府から正式雇用をボスにお願いした、ボスは賑わいから少し離れた場所に向かい改めて確認する様に 「リュウ、優勝出来たのに?本当にそれで良いのだな」 俺もハッキリと「はい、お願いします」 と返事をした、

 ボスも俺に正式に勤める事を望んでいた、ボスは雇用を変える事は一存では決められない、部隊の上司の許可を得て書類の提出等あって日本政府の許可が必要なので、後日返事をするからとの事、前向きに考えて頂き有難かった。

 もうこれで、俺の気持ちを断ち切り後戻りは出来ない、どうも俺は走りながら物を考える様だ、これでカーレースと決別だ!、自分でも驚くほど対応が早い、未練を持ちたくない、いや未練が有るからこそ!、俺の選択が正しいか正しくないかそれは後にならなければ解らない、此れで良いのだ!此れで、気持ちにケリが付けられる!

 其の夕互いに仕事を終え、何時もの様に穏やかに夕食を摂りながら、ヨシ子にも報告した 「決めたら早いのね、今度はサラリーマンよ、リュウに勤まるかな~ぁ?リュウは型に嵌らない人だから、チョト心配だな!」

 「日本の会社とちょっと違うから、日本政府の雇用で管理はアメリカ軍、だから実力次第の評価だよ」 「良く解らないけど、アメリカ軍の影響が有ると言う事ね」 「複雑だけれど給料は日本政府から、派遣の様に米海軍に雇われているからね」 「複雑ね、その事は解ったわ..リュウレースの事、急いで決め付けないでもっと柔軟に考えたらどうかしら?、とにかく後悔の無い様にね」 「うん、解ったよ」 とは言ったが、もう諦めなければ成らない時が来ている、俺の心は半ば決まっていた。

 ヨシ子が病院での出来事を話始めた 「海斗君がね、レースどうなったかって?随分期待していたわよ、それで優勝した事話したの、自分のことの様に喜んで ”リュウなら必ずやると思ったよ” だって、リュウに会いたいなーぁて・・リュウ行ってあげてね、・・それと浩子、家庭裁判所に弁護士付けて離婚の申し立てしたわよ」

 「あーぁ行かなければと思っていたよ、離婚は二人の問題だけど、海斗がね」 ..海斗が何の罪を犯したと言うのだ..如何にも納得出来ないよ、此れが現実の世の中!

 ヨシ子寂しそうな顔で 「浩子さん達、壊れてしまった物は仕方ないけど そうね、いがみ合っていてはもっと海斗君に悪影響でしょう、..リュウは、まだそうやって愚痴が言えるだけいいのよ、離婚の事はともかく、私の立場では何も云えないし、可哀そうだからと云って海斗君を特別扱い出来ないのよ、それに治療方法..なんでもないわ」 「ごめん!ヨシ子の方が立場じょうもっと辛いね」。

タッチおじさん ダヨ!.jpg エエ!此処まで来たんだ、最後まで読むか!..此処まで読んで下さり有難う御座いますストーリ【Story13】へ続きます、クリックね《http://touch-me.blog.so-net.ne.jp/2012-09-20是非お読み下さる事お願いね 

  尚、文中の東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福と、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げまるとともに一日も早い復旧・復興と、通常の生活に戻れる事、心よりお祈り申し上げます


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ja1nuh

リュウがレーザーをやめる!? とってもびっくり
by ja1nuh (2013-03-06 00:10) 

ナベジュン

いつもお世話になっています!
リュウがレーサーをやめる辺りから物語が佳境に入ってきましたね!
見慣れたはずのヨシ子の体に海に沈みかけた日没のほんのりとした光りにぼんやり写し出された柔肌が怪しくドッキリほど眩しく感じた辺りの表現や写真にはグット来るものを感じました。
読むのに大分時間かかっちゃいましたがまた時間を見つけて続きを読みに来たいと思います。
by ナベジュン (2013-03-23 15:25) 

テレーズ♪

おじさんもお休みしているのかなぁ。と思いましたが
お元気そうで何よりです。とても嬉しく思います。
by テレーズ♪ (2013-05-05 17:06) 

ちゅんちゅんちゅん

こんばんは!
今までも チラチラその影は見えていましたが・・・
えぇ~っ!びっくりですが!!
まだ二転三転しそうかな・・・
by ちゅんちゅんちゅん (2013-06-18 03:30) 

ちゅんちゅんちゅん

おはようございます!
朝は肌寒いくらいですね~!
温かいおうどん 出前で取ろうにも
近くにないんですよね(>_<)
うどんやさんって大手のチェーン店以外は姿を消して
しまいました・・・。
淋しいものです。
また 台風ですよ~☆
超大型らしいです、気をつけてくださいませ~!!
by ちゅんちゅんちゅん (2013-10-15 07:53) 

ちゅんちゅんちゅん

こんばんは!
お見舞いのコメントをありがとうございました(⌒‐⌒)
只今 風邪とのダブルパンチで
養生中です~( ̄O ̄;
しばらくは大人しく籠っています。
寒くなってきました、
タッチおじさんさまもどうかお気をつけて
お過ごしくださいね♪
いつも温かいメッセージをありがとうございます!
by ちゅんちゅんちゅん (2014-11-15 23:17) 

mimimomo

こんにちは^^
ご訪問ありがとうございました♪
今日は東京の方まで出ていてちょっと「お疲れさん」です。
幾つかの野鳥に会いましたが、あまり上手く写せなかったです。
お花と違って動くものは難しいですね(--ゞ
by mimimomo (2016-02-07 15:20) 

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